もっと早くに知っておけば良かった・・・ そう後悔しないためにも ~致命的になる前に日頃からチェックするポイントを押さえておこう~
マンションは長い年月を経ると、必ず経年劣化で傷みが出てきます。
適切な時期に適切な方法で修繕することは、快適な生活の維持や資産価値を保つことに繋がります。
「普段からチェックするポイント」を押さえていただくだけで
補修が必要な場所を出来るだけ早く発見し、補修することで余分な費用もかかりません。
「あ~もっと早く相談して、修繕しておけば・・・」そう思われないためにも
このコラムを通じて、知識を身につけていただき、いざという時に
きちんとした知識で対処をしていきましょう♪♪
(築20年 改修歴 屋上防水工事 1回 )
今回の押さえるポイントは??
■日常的な点検の有無が大規模修繕に影響するの?
■毎日少しずつ進む建物の劣化
■日頃からチェックしたいのはこんな箇所
- 日常的な点検の有無が大規模修繕に影響するの?
はい!もちろん影響します。
大規模修繕工事は、今後の資産価値に関わってくるため慎重に進めなければなりません。
限りある資金の中から、効率よく工事を行い、出来れば次の大規模修繕工事までなるべく期間を開けられる、そんな工事が出来たらベストですよね。
日頃から定期的に点検を行うことで、大規模修繕時に工事が必要な箇所を適切に判断が出来ます。
- 毎日少しずつ進む建物の劣化
劣化は待ってはくれません。だからこそ気づくことが必要なんです。
建物の劣化はある日突然現れるわけではありません。
日頃から少しずつ進んでいき、これを放置していると、いつか致命的なトラブルに繋がりかねません。
例えば、外壁のタイルが剥がれ落ちてしまったケース・・・
これもある日突然、バリバリと剥がれはじめ落ちるのではなく、
付着力の弱い部分からだんだん剥がれた範囲が広がっていき、
やがて重力に耐えられず、落下するという順序で起きます。
劣化の初期の段階で修繕をするのか?
それとも劣化が進んで大きなトラブルが起きた時に修繕するのかでは、
かかる費用や工事の内容は大きく違ってきます。
そのためには、毎日の生活の中でマンションの劣化の兆候に気づくようにしたいものです。
- 日頃からチェックしたいのはこんな場所
ここからが重要ポイント!!
マンションの建物には劣化を放置すると特に致命的なトラブルになりやすい場所があります。
防水の各部分、外壁、給排水設備などです。
これらの部分は、適切な時期にメンテナンスや修繕ができるよう、普段から気を配っておきましょう。
その具体的なチェックポイントは、次のようになります。
また症状にあわせた対処法も一部ご紹介します!!
【塗装部分】
★塗装の変色、色あせ、光沢の劣化・チョーキング
これだけでは緊急性はあまり高くありませんが、塗膜は劣化してきています。
★塗膜(塗装表面の膜)のふくれ
何らかの理由で付着力が低下し、裏側に水分が入り込んでしまっています。
塗膜が既に剥がれ、その周辺も非常にはがれやすい状態なので、鉄を守るための処置を急いだ方が良いでしょう。
★錆(さび)
すでに錆びてしまっています。これを放置すると錆びた部分が広がり、やがて穴が開いてしまいます。穴が開く前に早めに再塗装をしましょう。特に湿気のこもりやすい場所や海に近い場所では、錆びも早く進行します。もし穴がまだ小さければ、部分的な溶接補修と塗装で済むこともありますが、穴が大きい場合には補修用の金物製作やまるごと交換という工事となり、塗装と比較して高額な工事となります。
【防水各所】
屋上は開放されていないというマンションも多いと思いますが、各戸のベランダや屋根のないルーフバルコニーは、入居者の方だけが頻繁に目にする部分です。
次のような症状があるか見てみましょう。
★防水面の破断
屋上やルーフバルコニーは10年間、通常のベランダは5年間程度の漏水保証がされていることが多いので、表面の小さな傷程度であればすぐに漏水してしまうことはありません。しかし、どこかから水が入ってふくらんだり、誤って大きく傷つけてしまったりした場合、防水層が傷み雨水が浸入する恐れがありますので、早めに管理会社や施工会社に見てもらいましょう。
★防水面の雑草
→植物の種類にもよりますが、根が張ってしまうと防水層が傷みます。成長する前にすぐに抜きましょう。手で抜けないほどしっかりと生えてしまっていると、無理に抜くことで防水層を傷めたり水の浸入口を作ったりしてしまうかもしれないので、管理会社や施工会社に相談すると良いですね。また、手すりの外などの危険な箇所の処置は、管理会社にお願いしてください。
【外壁】
外壁は建物を雨風から守る主要な部分の一つですので、ひび割れてしまうと雨水が屋内に入ってきてしまう恐れがあります。また、外壁仕上げ材はコンクリート躯体を保護するためのものですが、これが剥落すると入居者だけでなく第三者に危害を加えてしまう恐れもあります。高い部分は日常的には目視しかできませんが、次のような点を注意して見てみましょう。
★手摺支柱が埋まった部分のひび割れ
手すりの内部などに水の経路があり、コンクリート内部の鉄筋が腐食して膨張している可能性があります。これが進行するとコンクリート片が落下することもありますので、早めに管理会社や施工会社に見てもらい、処置を行いましょう。
★その他のひび割れ
表面的なひび割れでは、すぐに問題になることはありませんが、これが広がっていく場合にはよくありません。特に居室のすぐ外のひび割れであれば、管理会社や施工会社に相談し、原因の究明と劣化の程度に応じた処置を行いましょう。
★外壁の塗膜の膨らみ
塗膜の裏側に空気や雨水が入ってしまっています。すぐに問題になることはありませんが、膨れが大きくなって破裂し塗膜が破けると、下地のコンクリートが露出してしまいます。酸素にさらされ本来アルカリ性であるはずのコンクリートが徐々に中性化していき、内部の鉄筋が錆びやすくなってしまうので、管理会社や施工会社に相談し、早めに手を打ちましょう。
★外壁タイルの膨らみ
→日差しの方向によっては凸凹が気になるという程度では、機能上は全く問題ありません。タイルが何枚にもわたって連続して膨らんでいる、これがだんだん大きくなっているとなると、これは非常に問題です。やがてタイルが剥落し、直下の居住者はもちろんのこと、たまたま通りかかっただけの第三者に危害を加えてしまう恐れがあります。
いかがでしたでしょうか。
ご自身で判断がつきにくい箇所も勿論あると思います。
専門家に依頼することもありますが、入居者の方のお声で気づけるポイントも多くあります。
以前のコラムでお伝えしたように、入居者の方へアンケートを定期的にとってみるのも
気づきのポイントになります。
管理会社に委託されている場合も、日頃から重視したいチェックポイントを共有し、
何かあればすぐに報告してもらえる体制をつくっておきましょう。
気になる箇所などございましたら、お気軽にお問合せください。
無料で、ご相談・現場調査を行っております。