外壁の種類について
建物の外壁の使われる主な外壁材は「サイディング・モルタル・タイル・ALC」などがありますが、それらの中でもサイディングは価格面やデザインが豊富ということで、現在住宅の外壁素材としてもっとも多く取り入れられている外壁材の一つです。またそれらの外壁材の塗装も外壁の種類に合ったものを選ぶ必要があります。
サイディング【Siding】
最近の新築住宅の外壁材で最も多く採用されているのが、サイディングです。
サイディングは工場生産のため、製品としての品質が均一化しており、デザインも豊富で、施工も外壁下地の合板に打ちつけていくだけと簡単に施工ができるのも特徴です。
そしてコスト面においても他の外壁材と比べ安いのも特徴です。
サイディングの素材としは、主に金属系、窯業系(ようぎょうけい)、木質系、樹脂系に分類され、性能面やデザイン、バリエーションなども豊富で、タイル風や石積み風、板張り風など、一見すると本物のような風合いのものもあり、日進月歩でその種類は増え続けています。
窯業系(ようぎょうけい)サイディング材
窯業系サイディング材はセメントと木質系成分を混ぜて製造されたサイディングのことです。
その特徴としてはセメント系素材の強度と木質系素材の特性である断熱性を生かしたサイディングのことで、表面をガラス質コーティングしており、その耐久性も極めて高く、デザイン面においては「煉瓦風」や「石造風」等の落ち着きのあるクラシカルなものが多く、日本で一番普及しているサイディング素材の一つです。
木質系サイディング材
天然木、合板(ベニア板)、木片セメントといったものに表面に塗装を加えたサイディングのことです。
本物の木材を使用しているので日本人が好む木の風合があり、人気のサイディングです。
また断熱性に優れていますが、天然木を使用しているため「窯業系や金属系」と比べると耐久性が落ちます。
金属系サイディング材
素材はアルミやスチール、銅、ステンレスなどが使われており、金属的な輝きを持ち丈夫さと、腐食しにくい性質を併せもった素材です。また金属性ということで、水分を吸わないので凍害などに非常に強く、発泡樹脂で裏打ちされているため断熱性や防音性にも非常に優れています。
金属系サイディングは、窯業系サイディングに比べ、デザインやカラーバリエーションが少なかったのですが、最近ではそれらも増えており、好みに応じたものが選べるようになりました。
モルタル【Mortar】
モルタルはサイディングが登場するまで、日本の住宅の外壁材の主流でしたが今日では減少傾向にあるといえます。
しかしサイディングの外壁では得ることのできない独特の風合いと高級感があり、根強い人気があります。
モルタルは主に砂とセメント、水を練り混ぜて作る外壁材で材料の性質としてはセメント状になっています。
住宅の外壁の素材としてよく使用されている外壁材ですが、施工の難易度が高く施工時間がかかることと、経年劣化によって外壁部(主に建具まわり)に亀裂(クラック)が入りやすいという欠点があります。またモルタル自体には防水性はほとんどなく、その上に塗布している塗料で防水することになります。
タイル【Tile】
外壁材のタイルは陶磁器の建材で石や土を細かく粉砕して成型後、高温で焼き固めたものです。
モルタルに比べ、吸水率が低く耐久・耐火・耐候性に優れており、また見た目にも重厚感があり、色彩や質感が良く落ち着いた感じを作り出します。しかしタイルそのものに重量があり、施工に手間が掛ることから最近では乾式工法のタイル張りが主流となっています。
ALC【エー・エル・シー】
ALCとは(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)の略で、軽量気泡コンクリートのことです。
建築物に使われるコンクリートは非常に圧縮に強い素材ですが、重量が重いという欠点があります。ALCは軽く水に浮くほどの軽さで、断熱性もあり外壁材のみならず鉄筋コンクリート造の床や屋根、間仕等に使用されています。
ALCは商業ビルや倉庫などの建物の外壁によく使われている外壁素材で素材は珪石・セメント・生石灰・石膏・アルミニウム粉末などを高温、高圧処理でボード状にしたものです。
サイディングに比べ非常に耐久性に優れており、コンクリートに比べ軽量で断熱性に優れた外壁材です。