シーリングとは?建物の防水の要「シーリング」の基礎知識
修繕工事をする際、建物の劣化診断をする際にも
よく確認する部分のひとつにシーリングがあります。
(コーキングとも呼ばれています。)
マツミでも修繕工事をする際、現地調査でもよく確認する部分。
実は建物の劣化にもつながる重要な箇所なんです。
劣化が進むと、躯体にも影響が出てくるシーリング。
本日はシーリングの種類と劣化のサインについて解説いたします!
シーリングの役割
そもそもシーリングとは、外壁のボード同士、またはサッシと壁の間を充填剤で埋める施工のことです。
雨水などの侵入を防ぎ、外壁の負担を軽減し建物の劣化を防ぐ役割があります
ほかにも、地震などの際に壁などの建材同士がぶつかり合うことを防ぐクッションとしての役割や、
建材を固定する目的として使われています。
ちなみによく言われている「コーキング」も同じ意味です。
シーリングの種類
シリコン
ホームセンターでも一般的に売られているシリコン。
価格も比較的安価の為、コストパフォーマンスにも優れています。
手に入りやすいため、オーナー様がご自身でシリコンを使いシーリングを打たれることありますが、注意しなければいけないのは、上から塗料が塗れないということ。
外壁の塗り直しの際、塗装業者は今あるシーリングを撤去しなければいけません。
撤去が広範囲にわたる場合、別途費用が掛かる可能性があります。
メリット
・耐久性が高い
・比較的安価
・密着性に優れプライマーなしでも施工できる
・乾燥が早い
デメリット
・上から塗料が塗れない
・シリコンオイルにより周囲が汚染する
・2液タイプは使用しづらい
☑シリコンの主な使用場所
・ガラス廻り
・キッチン廻り
・浴槽廻り
変成シリコン
柔軟性があり、サイディング仕様の家の目地に使われている変成シリコン。シリコンと名前はついていますが、前途のシリコンとは全くの別物です。
用途な幅の広く、上からの塗装も可能で、一般的によく使用されているシーリング材です。
メリット
・使用用途が幅広い
・上に塗料が濡れる(ウレタンには劣る)
・周囲の汚染が少ない
デメリット
・シリコンに比べると価格が若干高い
・プライマーが必要
・上に塗る塗料によりはじき・ベタツキが発生する場合がある
☑変成シリコンの主な使用場所
・一般建築物の内外装の目地、サッシ廻りなど
・モルタル、コンクリートの目地およびクラック(ひび割れ)、タイル目地など
・各種屋根材、各種金属の目地、接合部のシールなど
ウレタン
弾力性と密着性が良いので耐久性が高いという特徴があります。
硬化後はゴムのような弾力性を持ち、クラック補修や目地の補修に使用されます。
紫外線に弱いため、露出目地やガラス廻りには使用できず、
外壁で使用する場合は上に塗装が必要になります。
・ウレタン防水などの端末シールや下地処理
メリット
・耐久性が非常に高い
・上から塗料が塗れる
・変成シリコンよりも比較的安価
・上に塗装後、汚染がすくない
デメリット
・紫外線に弱く露出できない(充填後、塗装が必要)
・充填後、シーリング材が痩せる可能性が高い。
☑ウレタンの主な使用場所
・一般建築物の内外装の目地、サッシ廻りなど(充填後、塗装が必要)
・モルタル、コンクリートの目地およびクラック(ひび割れ)、タイル目地など(充填後、塗装が必要)
アクリル
水性なので施工しやすく、湿った箇所にも使用可能。
主に新築時のALCのパネル目地などに使用されますが、
紫外線に弱い為、耐久性はあまりありません。上からの塗装は可能ですが、リフォーム等ではほとんど使われません。
メリット
・上から塗料が塗れる
・湿った箇所でも施工可能
デメリット
・耐久性が少ない
・充填後、シーリング材が痩せる
☑アクリルの主な使用場所
・モルタル、コンクリートの目地およびクラック(ひび割れ)、タイル目地など
・ALCのパネル目地など
ポリサルファイド
耐熱性は変成シリコーン系程ではないがよく、表面にゴミ、ほこりが付きにくい特徴があります。柔軟性はあまり無く高い追従性を求める場所では使用できません。
また変色・軟化する場合がある為、汚染防止処理を行うことが重要になります。
ゴムの焼けたような臭いがするため、周りにも配慮しなければなりません。
メリット
・耐久性が良い
・表面にゴミ、ほこりが付きにくい
デメリット
・上に塗料を塗ると変色、軟化させる場合がある
・建物の追従性に弱い
・匂いが臭い
☑ポリサルファイドの主な使用場所
・一般建築物の外装のタイル目地、サッシ廻りなど
・カーテンウォールや石目地等
いかがでしょうか。結構色々と種類があるんです。
施工場所や目的、そのほかの工事との禍ア割などを鑑みて、
最適な選択をする必要があります。
シーリング劣化のサイン
シーリングの寿命は、材料にもよりますが約10年前後。
ただ外壁など屋外で使用しているシーリングは紫外線や雨風やほこりなどに日々晒されている為、
環境によってはもっと短くなる可能性もあります。
■初期~中期症状 硬化・ひび割れ
まず初めに起こるのが硬化という現象。
本来は、ぷにぷにと弾力がありますが、経年劣化によって徐々に硬化していきます。
この状態を放置していると、小さなひび割れにがおこります。
■重度の劣化 大きな亀裂・隙間(破断・剥離)
硬化やひび割れを放置すると、さらに症状は進行し、
外壁とシーリングの間に隙間が出来たり、大きく亀裂が入ってしまいます。
■至急対応を! 剥がれ(完全な剥離・欠落)
劣化が進むと最終的に、シーリング自体が剥がれて後ろに
バックアップ材などが見えてしまっている状態です。
マツミでも修繕のご依頼をいただく物件を調査すると、
大きな亀裂や隙間が出来てしまっている状態のシーリングよよく拝見します。
劣化した状態を放置すると躯体や室内に水が回って、雨漏りや建物の劣化に繋がります。
日々のメンテナンスをしっかり行うことが重要ですね♪
まとめ
いかがでしたか?本日は建物の寿命を左右する大切なシーリングについてご説明しました。
シーリングの主な役割は、雨漏りを防ぐ「防水性」と、
地震などにより建物が揺れた際に伸縮性により建物を守る「耐震性」。
意外と種類も豊富にある為、施工場所や目的に応じて最適な材料を選ぶ必要があります。
シーリングの劣化は建物の寿命に直結します。
早め早めのメンテナンスをしていきましょう!
マツミでは新築から修繕工事まで、建築一式工事全般を承っております!
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